パイプとパイプを誘導加熱を利用してロウ付けしてみます。
鉄パイプとSUSパイプ
鉄パイプは、誘導がかかりやすい(温度が上がりやすい)ので充分温度が上がり、 ロウ材も真鍮、銀ロウ、半田 どれを選んでも接合できるでしょう。 SUSパイプは鉄よりは上がりにくいですが、出力にも余裕があるので問題ないでしょう。真鍮ロウを使用して 鉄パイプとSUSパイプをロウ付けしてみます。
ロウ材は予め パイプの径に合わせて巻きセットしておきます。
ロウ材とパイプにフラックスをつけて、加熱開始!
約30秒程度で、ロウ付けが完了しました。
綺麗なロウ付け
ロウ付けで難しいのは、綺麗にロウが回ることです。
『ぬれ性 』と言ったりもしますが、
2つの部品に綺麗にロウが流れてくれないと、強度であったり、気密性(漏れないこと)であったりという ロウ付けに必要な条件を満たすことができません。
綺麗なロウ付4つの条件
綺麗にロウが回る4つの条件は、温度、ロウ材、時間とフラックスです。
温度
素早く温度を上げる事が可能だからと言って、あまり急激に温度を上げすぎると、ロウ材やフラックスが弾けてしまったり、巣が出来てしまったりします。ロウ材に最適な温度に上げる必要があります。
ロウ材
ロウ材は多すぎても少なすぎても良くありません。多すぎると接合部以外にも流れ出してしまいます。逆に少なすぎると強度不足やパイプ接合等の場合、液漏れなどの不良となってしまいます。また見た目にも綺麗じゃありません。適切な場所に適切な量を供給する必要があります。
時間
加熱に長い時間をかけてしまうと、せっかくフラックスをつけて表面の酸化膜を除去しているのに600℃近辺で発生してくるスケールの影響でロウが綺麗に流れなくなります。また、短いとロウが溶け切らなかったり… 適切な時間を見極める必要があります。
フラックス
フラックスは、金属の表面に付いた酸化物を除去してロウが流れやすい様態にしてくれます。しかしフラックスも塗り方にムラがあると、綺麗に流れるところと流れないところが出来てしまいます。
トライトライトライ そしてトライ
ロウ付けは、何回も何回もトライしてベストの条件を見つける必要があるのです。
そして、ベストの条件を見つけることができたなら 後は誰が作業をしてもベストなロウ付けが可能となります。
※ 実はこの動画も何十回ものトライの末の動画なのです…
さぁ、次は何と何をロウ付けしましょうか?
リクエストはがあればこちらから ↓