ある朝はやくの事…
『朝、装置を開けたら水浸しなんですけど! すぐに来て下さい!』
『どこからか、水漏れですか?』
『よく分からないけど、すぐにお願い致します!』
『それでは、冷却水の一次側のバルブを閉じてお待ち下さい』
早速 訪問して点検をしてみると どこからも水漏れはしていない様子、しかし辺りは水浸し…
話しを聞いてみると、
◎ 夜間中 循環冷却水をまわしたまま
◎ チラーの設定温度は室温より低い
◎ ここのところ、雨が続いている…
あぁ… 結露ですね!
雨の続いた後や梅雨の時期(そう!これからの季節です)は、湿度が高い為、冷たい水が流れている配管等の表面に結露が発生します。
湿度が高いと みるみるうちに水が滴り落ち、あっという間に水たまりになり、そのうち水浸しに…
結露とあなどることなかれ、びっくりするくらい水滴が落ちてくるのです。
そしてこの時 怖いのは、結露に気づき 拭き取ったり、乾燥させたり 対応していればさほど問題とはなりませんが、気付かずに電源を入れ、装置を稼働させてしまうと 『事故や怪我につながる可能性がある💀』 ということです。
高周波電源装置の場合、冷却水が必要なところはたいてい、電流がたくさん流れるところや
電圧の高いところを冷やしております。そんなところに、水分があって 汚れていたりすると…
『漏電』 や 『短絡』 等の事故 が起こる危険があります!
他にも結露の後、充分な拭き取りや乾燥ができていないと、錆や腐食が発生し 場所によっては、接触不良が原因で動作不良を起こす可能性もあります。
結露対策は?
では、どういう対策ができるか?
結露という現象は ”冷却水が冷たい” 、”湿度が高い” 時に起こるわけなので、”冷却水の温度を上げる” 、”装置内の湿度を下げる” を実行すると、自ずと結露は起きなくなります。
冷却水の温度を上げる
結露が発生する温度は、「露点温度」によって知ることができますが、この露点温度より冷却水の温度が高ければ結露は発生しないということになります。しかし露点温度の算出はいささか複雑な計算が必要なのですが、最近は 便利なデジタル露点温度計などがあるので、これで露点温度を計測し、循環冷却水の温度が計測した温度より低くならないように、チラー等の熱交換器の設定温度をコントロールする事で、結露を防止することが出来ます。
装置内の湿度を下げる
装置内に除湿器を設ける方法がベストです。 応急的には 除湿剤(押し入れなどに入れておくアレです)を設置するのもひとつの手です。(ただし、置く際には充分注意して下さい)
装置周辺の雰囲気(油煙や埃等)があまり良くない場合は、装置内のクーラー化もご検討下さい。
※この『装置内のクーラー化』は、また別の機会にお話ししようと思いますが 良いですよ!
結露以外でも
結露の対策もそうですが、「いつもと変わったことが無いかなぁ?」を
頭の片隅において日々の作業をしていただけると、事故を未然に防ぐことにもつながると思います。
また、高電圧の部分が多い装置ですので、定期的に清掃や点検もお願い致します。