装置

焼嵌(やきばめ)加熱

焼ばめ(焼バメ、焼嵌)加熱装置

焼ばめというのは、『金属は温めると分子の運動が活発となり分子間距離が広がり、結果 伸びたり広がったりする』 事を利用しています。そもそも、焼ばめという技法は、古くから存在し 昔の荷車の車輪は木製ですが、そのまわりに金輪をはめる時、炭などで火を起こしそこに金輪をいれ、充分温度が上がってから木製の車輪にはめたようです。

現代では、この焼ばめという技法は、色々なところで採用されております。

焼ばめの多くは、穴の空いたところへ軸を挿入(圧入)して固定する場合に用いますが、

穴は、軸より小さく作られており、穴の周辺部分を加熱して穴を拡張させ、素早く軸を挿入(圧入)します。

# 焼ばめでなく無理やり数トンの力を掛けて押しこむことも可能でしょうが、バリや傷が出来る原因となり、後始末が大変となります。(これにつきましては、こちら(その圧入、バリが出ていませんか?)も御覧ください)

焼ばめは、車の部品ですと、デフリング フライホイルとリングギアの焼ばめ ピストンピンとコンロッドの焼ばめ  、エンジンのシリンダーヘッドにシートピンとバルブガイドを焼ばめするものもあります。
その他では、モーターのシェルとステーターの焼ばめ、バランサーとドライブブッシュの焼ばめ等々 色々なところで使われております。
高周波誘導加熱により、焼ばめ作業は最良の加熱条件のもと、ロスを少なく安心安全に焼ばめすることが可能となります。


<焼嵌めとは別の話ですが…>
電車の線路は、夏と冬では長さが変わってくる為、線路と線路のつなぎ目に隙間を開けて設置されており、この伸縮をカバーしているわけです。 鉄の場合、温度が1℃上がると1mあたり11.2μm(=0.0112mm) 伸びるということなので、例えば25mの線路なら気温が10℃あがるだけで2.8mm伸びる計算です。 夏場 気温が40℃近くまで上がったら線路の温度は、きっと60℃近くまで上がっているでしょう。そうすると夜の間に20℃くらいの線路が日中 60℃まであがると、40℃の昇温、ということは100mの線路は11.2mm伸びることに! なので線路のつなぎ目にはこれくらいの隙間をもたせて、敷設されていることになります。

# あの『 ガタンゴトン 』という音(振動)が発生する原因は、そんなところにあるわけです。


フライホイルにリングギアを焼き嵌めする装置(リングギア自動焼嵌め装置)の動画

リングギアをストッカーへ(約30)枚セットしておくことが可能で、作業者は、フライホイルを所定の位置へセットし自動起動。
自動でストッカーからリングギアを抜き取り、必要であれば表裏判定を行い、焼嵌温度まで昇温し、フライホイルへ圧入するまで自動で行います。

 

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